うちの長女、つばめは現在小学5年生です。
5年前、幼稚園の年長の時に「成長ホルモン分泌不全性低身長症」と診断され、今でも毎日成長ホルモンの自己注射を行っています。
子供の身長の伸びが悪いと気になりますよね。
今のうちになにか手を打てることはないか、不安になって調べる方も多いと思います。
つばめの場合は、年長になるその年まで「同級生の子より少し小さいくらいかな?」「そのうち伸びるよね」と思っていたので、まさか治療が必要だとは思いもしませんでした。
(実際、つばめと同じ位の身長の子は幼稚園に3人ほどいました。)
ネットで一応調べて、低身長症というものがあると知りながら、「うちの子は違うだろう」という根拠のない考えで「もう少し様子を見よう」と受診はしていませんでした。
今回はそんなうちの子の場合、どうやって病気が判明し治療になったかの一部始終をお話したいと思います。
こんな方に読んで欲しい記事です
- お子さんの身長の低さが気になる方
- 身長が低いだけで病院の受診は迷っている方
- もし低身長症だったらどのような治療になるか知りたい方
- 低身長症だと診断された場合、診療の費用が気になる方
- 低身長症を治療して効果が本当にあるのか知りたい方
- 成長ホルモンを注射することの副作用が気になる方
成長ホルモン分泌不全性低身長症とは
脳の下垂体から出る成長ホルモン(GH)の分泌量が明らかに少ない状態を指します。
原因は、器質的なものと特発的なものに分かれており、うちのつばめは特発的なほうでした。
つまり、これ!と特定できる原因はありませんでした。
概念・定義・病因については下記サイトをご参照下さい。
参考 成長ホルモン(GH)分泌不全性低身長症(脳の器質的原因によるものを除く。)小児慢性特定疾病情報センター噛み砕いて言うと、
なぜだか成長ホルモンが人並みに出ていないから、身長の伸びがすごく悪い。という状態でした。
成長ホルモン分泌不全性低身長症だとわかったきっかけ
冒頭でもお話したように、「周りの子より少し身長が小さい」とは思っていましたが、それ以外は全く普通の元気な子でしたので、「低身長症」という病気を知ってはいても、もう少し様子を見ていれば急に成長しだすかもしれない…と積極的に受診はしていませんでした。
市の定期検診でも、一度も指摘を受けたことはありませんでした。
(今思うとなぜ?という感じですが…)
きっかけは、つばめが年長になってから急に頻尿になり、かかりつけの小児科に相談したところ、大学病院に紹介状を書いてくれたことにあります。
(大学病院の小児科でエコーを見てもらった所、頻尿に関しては便秘(固いうんちが腸にたまり膀胱を刺激しているの)ではないかといことになり、整腸剤を処方されるようになりました。)
頻尿の治療と並行して、担当の先生がつばめの身長が年齢に対して低すぎることに気がついてくれました。
(この大学病院では毎回身長体重を測ります)
これがきっかけです。
ヒアリングから始まり、今までの身長体重からつばめの成長曲線を作ることになりました。
まず最初の判断は成長曲線を見ること
成長曲線からわかるSDスコア(標準偏差)、うちの子は-2.5SDでした。(低身長症の疑いあり)
SDスコアをチェックできるサイト
参考 低身長チェック-情報入力|子どもの低身長と成長障害について考える成長相談室子どもの低身長を考える身長相談室SDスコアについての基礎知識はこちらを参照
参考 SDスコアについて保健師・保育士・養護教諭さんへ手のレントゲンを撮って骨年齢を調べる
SDスコアで「疑いあり」と出たからと言って、まだ成長障害があると決まったわけではなく、だいたいの子は手のレントゲンを撮れば疑いが晴れるそうです。
手のレントゲンを撮ると、骨の成長度合いがわかり「骨の年齢」がわかるのですが、つばめは6歳なのに3歳の骨でした(ちょっと具体的な数字はうろ覚えですが)。
骨年齢についてはこちらを参照
参考 成長ホルモン治療情報サイト| 子どもの成長ホルモン治療 | JCRファーマ株式会社これでますます疑いが強くなり、つばめは2泊3日ほどの検査入院をすることになりました。
成長ホルモン分泌不全性低身長症かどうかの検査入院
確か…2泊3日だったと思います。
入院するのは、朝起きぬけの空腹の状態で成長ホルモンを刺激する成分を点滴し、その結果を時間毎に採血して調べるためです。
まだ6歳の元気な子を入院させるのは大変でしたが、それ以上にわたしの中で不安感がとても大きくなっていました。
小児病棟の同室のお母さんに入院した理由を聞かれると、「あらー!うちの子も低身長症で、毎日注射打ってるのよ〜!どんなのか見せてあげる!」と言ってくださったのですが「だっ大丈夫です!」と丁重にお断りしました。
多分、口にシッ!と指を持っていってしまっていたと思う。
(そのお子さんは低身長が理由で入院しているわけではありません)
まだ成長障害かどうかはっきりしない状態で、もしそうだったら「毎日注射するかもしれない」という不安をつばめに持たせたくなかったのです。
成長ホルモン分泌刺激試験の検査結果
数日後、負荷試験の検査結果が出て、つばめは「成長ホルモン分泌不全性低身長症」と診断されました。
結果を聞くまで、そうである確率は低いと勝手に思っていたので、まさかの結果に驚きました。
驚いた後、わたしは少しだけほっとしていました。
これまでの検査でわかったこと。身長が異常に低い。-2.5SD。骨年齢が何歳も若すぎる。
それなのに何の治療も出来なかったら…わたしの性格からして、身長を伸ばすために子どもの食べる物や生活習慣にものすごく神経質になってしまうだろう、と思っていたからです。
成長ホルモン分泌不全性低身長症の治療法とは
ずばり、成長ホルモンそのものを毎日補うことです。
方法は、自己注射になります。
ペン型の細い針の注射器で行うのでとても簡単です。
診断結果が出たその日、別室に注射器のメーカーの方が待機されていて、わたしが注射をするので、使用方法や扱い方を教わりました。
この日から、成長ホルモンを自己注射する毎日が始まり5年後の今も続いています。
成長ホルモン(GH)の費用ははとんでもなく高い!でも医療費助成制度がある
こちらが先日、3か月ごとの定期受診をした時の領収証です。
診療点数がすんごいことになっています。
点数×10円が保険なしの実際の金額です…!(451,480円)
保険を考慮してそれの3割負担だとしても、135,444円…。
繰り返しますが、3か月に1回です。
それが負担額0円で済んでいるのは、こちらの市では中学卒業まで医療費が窓口負担0という「子ども医療費支給制度」があるからです。
つばめの場合は、検査結果が「小児慢性特定疾病」の基準をすべて満たしていたので、そちらで医療費助成を受けることもできたのですが、担当の先生が「そんなことしなくてもこの市は中学卒業まで無料だから大丈夫」とおっしゃって、何も申請せずに窓口負担0となりました。
低身長の医療費助成制度について詳しく
参考 成長ホルモン治療の適応症と医療費助成制度保健師・保育士・養護教諭さんへ小児慢性特定疾病の申請手続き等について
参考 小児慢性特定疾病の医療費助成制度保健師・保育士・養護教諭さんへ成長ホルモンを毎日注射することの副作用について
診断結果が出た時に副作用についての説明も受けました。
使う製剤によって副作用も変わってくるようですが、わたしが説明を受けたのは、以下の通りでした。
考えられる主な副作用
- 全身の痛み
- 関節痛
- 手のしびれ
- 頭痛、吐き気
- 扁桃・アデノイドが大きくなる可能性
- 白血病になる確率についてははっきりしない。大丈夫だから安心していい
全員この症状が出るわけではなく、それぞれ少しの可能性があるというだけです。
最後の「白血病」の文字が気になりますが、成長ホルモンの副作用について調べると必ず白血病のことが出てきます。
以前に、成長ホルモンの投与を行っていた人が白血病を発症したという報告があったのですが、成長ホルモンそのものが直接の原因かどうかの証拠もないため、因果関係についてはわからず、娘の担当の先生はこの件については心配しなくていいとおっしゃっていました。
副作用がないかどうか、定期的に採血とレントゲンを撮り、治療中はずっと経過を観察しています。
実は、上の中の1つの副作用がつばめに起こってしまうのですが…長くなるので、次の記事で書きたいと思います。
【追記】書きました。
>>【低身長症治療記②】成長ホルモン治療の副作用で手術することに【体験談ブログ】
>>いびき、無呼吸は要注意!子供が受けた扁桃摘出・アデノイド切除手術
成長ホルモン補充療法の効果について
これは、目覚ましい効果がありました。
それまで1年に3〜4センチの伸びだったつばめの身長が、7〜8センチも伸びるようになりました。
治療開始前の約2倍伸びています。
これは毎年続き、4年めから5年めにかけては約9センチも伸びています。
わたしは初め、子どもの腕にぷすっと毎晩注射することに「痛そう…」抵抗がありましたが、1か月も続ければ当たり前の生活習慣として受け入れることができるようになりました。
とても針が細いこともあってか、つばめの方が最初から順応性があって、注射を嫌がったことはこれまでありません。
本人に言わせると、採血の時に下手な看護師さんに当たるほうがよっぽど【1万倍】痛いそうです。
(未だに病院で採血となると嫌がります。)
子どもの低身長が気になる方は早めの受診をおすすめします
なぜなら、もし治療が必要なら早いほうがいいからです。
毎年少しずつ成長ホルモンを打って効果が現れるので、この治療法は時間がかかります。
子どもの第二次性徴が始まってくると(早い子で4年生くらいでしょうか)、身長の伸びは緩やかになってくる子が多いからです。
わたしの場合ですが、「気にはなるけど、わたしも身長が高いほうではないし、遺伝かも!大丈夫でしょ!」というのは根拠のない思い込みでした。
検査してみて、治療が必要でないなら、食べ物や生活習慣を見直すことで身長の伸びをサポートすることに専念できると思います。
まずは成長曲線をチェックし、「低身長症の疑い」が出たら、かかりつけのお医者さんに相談し、大病院でないといけないなら紹介状を書いてもらう、というのが一番近道だと思います。
(いきなり初診を大病院にすると、紹介状がない場合「選定医療費」を5,000円払わなければいけなくなります)
大病院であれば、小児科の「内分泌科」があるところがよいです。
(違う名前の科で受診できる可能性もあるので、詳しくは病院でご相談下さい。)
まとめ
うちのつばめが「低身長症」だとわかったことにより、幼稚園の同級生の、つばめと同じくらいの身長の子たちは3人とも病院を受診しました。
しかし、病気ではないことがわかり、治療の必要はありませんでした。
現在5年生で、ちょうどその中の2人が同じクラスなのですが、身長は1〜2センチだけつばめが大きく、(この1年でぐんと伸びたので)みんな順調に成長しているのだと感じます。
もしつばめが治療をしていなかったら、同じ身長だった子たちよりもずっと低いままだったでしょう。
この記事が、子どもの身長のことで迷いや不安を抱えている方の一助になることを祈っております。
また、身長の低い大人を否定するものでもありません。
あくまでご参考までにお願いいたします。
【おしまい】
【低身長症治療記②】成長ホルモン治療の副作用で手術することに【体験談ブログ】 小学生の子供用にスマホは心配?我が家の結論とLINEモバイルがおすすめな理由